読売新聞 2001年6月3日

短評

「円の支配者」 リチャード・ヴェルナー著



日銀は90年代を通じ景気を回復させたい政府の試みを妨害してきた。ライバルの大蔵省は解体され、金融部門の規制は独立した金融監督庁が行うが、そこには日銀出身者がいて、日銀の勝利は明らかだ。自らの法的権限を拡大するために経済を混乱に陥れた日銀の責任について、司法関係者を含めた独立した委員会を作れと主張。吉田利子訳。(草思社、2000円)