Views from Japan June 2002

経済

『Voice』対談



昨年度ベストセラーの『円の支配者』の著者リチャード・ヴェルナー氏(プロフィット・リサーチ・センター、チーフ・エコノミスト)と辛口批評で鳴らすビル・トッテン氏(アシスト社長)が『Voice』2002年6月号で対談する。ビッグバン直前と比べて預金は45兆円増えたのに貸出は95兆円も減り、一体、140兆円のおカネはどこへ消えたかがテーマだ。

ほとんどは米国に流れたと見るトッテン氏は粉飾決算が懸念される米国株式が万一暴落したら日本はさらに100兆円の不良債権を抱えはしないかと懸念する。ヴェルナー氏の不良債権処理策は、日銀が買い取りデフレ解消後に売れば良いと明快だ。第2次大戦終戦直後に前例があると指摘する。

「金融ビッグバンが銀行の貸し渋りの元凶では」とのトッテン氏の疑問に、ヴェルナー氏は「政府が国債の発行ではなく、貸出契約という方法を使って、銀行から借りるようにすればいい」と答え、「2つの対策をとれば1年後には日本は4%成長も可能」と太鼓判を押す。不況の原因は日銀の金融政策にあるとするヴェルナー氏らしい処方箋だ。